【後編】ある日曜日の黒鯛落し込み釣り。第21回大阪湾落し込みトーナメント武庫川予選を終えて自己分析

 

前編は↑こちらです。

この記事は後編となります。

大会は普段日常では味わえないスリルやドキドキ感を味わう事ができる最高の手段だと思っています。

そんなもん大会なんか別に出なくてもいいし、スリルなんて味わいたくないわ。

そう思う方ももちろんおられるでしょう。

しかし、大会に参加することで得られるものも、普段の仕事や生活にも活かせる事も多くあると思います。

たかが趣味ですが、私自身、それに真剣に向き合う事で普段の生活も釣りも色々と良い風に変化したと思います。

※私が参加したのは釣りの大会ですが、、釣りの大会でなくとも、色々なジャンルで大会があると思います。もちろんどんな大会でも良いです。

負けて悔しい→復習、勉強しに行く→また挑戦→そしてリベンジ成功!

もうこれは完全に「スポーツ漫画の流れ」です(笑)

達成感半端ないです。

そんな中で、私なりの大会に参加する意義って何かと考えて簡潔に書いてみました。

そして、大会の自己分析も備忘録として書きました。

もしよろしければ見てください。

大会に参加する意義ってなんやろ?

①【自分の限界と向き合える】

普段の釣りって「のんびり」「自由」な楽しさがあるけど、
大会って制限時間・ルール・他者との比較があるぶん、自分の技術・判断・精神力が全部試される。
それってつまり、「本当の実力が見える場所」でもあると思います。

🧠 下見の経験が活きたか?
🐟 パターンの読みは当たったか?
🧘‍♂️ 焦らず冷静にできたか?

誰のためでもなく、全部、自分へのチャレンジやね。

もちろん、今回の私みたいに運もあると思いますが、、、

②【釣りの“仲間”と繋がれる】

落し込み釣りって、実は孤独になりやすい趣味で、釣り場につけば、あとは1人で延々と魚と向き合います。
でも大会に出ると、名前は知ってても話したことない人と会えたり、

時間いっぱい真剣にやり切ると、
「お互いよう頑張ったな!」って戦友感が生まれる。

この繋がりって、マジで尊いです。

③【釣り人としての“矜持(プライド)”が育つ】

大会に出ると、ルール・マナー・他人への配慮…
そういうことに敏感になる=釣り人として成熟するキッカケになる。

ゴミ捨て、釣り場を守る、トラブル時の対応とか、全部「人としての品格」出るからね。

趣味に真剣に向き合うって、こういうことだと思います。

④【緊張・興奮・喜び・悔しさ】が味わえる

子供の頃、運動会や発表会でドキドキしたあの感じ、
大人になるとそんな機会がほんとになかなかありません。

でも大会に出るとそれが味わえます。

⑤【勝っても負けても物語ができる】

予選通過しても、しなくても、そこにはその人その人の「ストーリー」があります。
それを振り返ることで、他の誰でもない「自分の人生」が面白くなります。

私が、このブログを始めたのも、そういった、自分の人生の軌跡を残す事、そして、釣りの面白さを伝えること、私達だけでなく、次の世代にも釣りという素晴らしい趣味、文化を残していくことを考えていたからだと思います。

大会とは、

臭い言葉ですが、

自分を試し、釣りを深め、人と繋がり、本気で遊ぶ場所」
やと思ってます。

真剣に向き合うことが大前提ではありますが、勝つことや負ける事は一つの結果。その過程で得られる“全部”が本当の宝。だと思います。

大会自己分析in尼P川筋

ほぼ独り言

今回の大会の下見の時、暇な人やガチな人などと一緒に何度か釣行しました。

その時のメンバーは、虫で釣ったり、パイプで釣ったり、もちろんカニでも釣っていたのですが、

自分自身は、周りの人たちほど虫でのあたりに手応えを感じていませんでした。

その時の感覚は、虫でも、パイプでも、カニでもなんでも釣れるし、何でも釣れない。

そんな感じでした。

ちなみに昨年は虫一択なくらい、虫で釣ることに対して自信をもっていました(結果撃沈)

 

なので、餌は何でも良かったといえば、そうなのですが、

感覚として(他の人からすれば間違ってる事かもしれませんが)、虫は例の棚でステイして食わせる。っていう印象が強く、そこに少し疑問を感じていました。

下見のときも、虫を使って、例の棚でアタリを出すことは出来たのですが、

なんだか、いわゆる食いが悪かったんです。

当たるけどのらん。乗ってもすぐ外れる。

ある方の教えで、

アタリがあって、バラしたり乗らないことが続いたら、少しでも良いから仕掛けの一部をかえてみれば良い。

それを繰り返してアジャストしていったら良いのでは?!と。

その教えを忠実に守って、色々変更してみたのですが、やはりアジャストしきれず、

アタリはあるものの、イマイチしっくりと来なかったのです。

 

釣果を上げている人たちに色々と聞いてみたら、

オモリを普段よりちょっと軽めにしてふわふわさせたら良いですよ

ステイトにオモリ打ってみたらどうですか?などなど

実践を元にしたアドバイスをたくさんもらい、それもまた実践してみたのですが、

やはり、しっくりこない。

何かはわからないんですが、何かが違う。

落とし方が違うのか、タックルバランスが違うのか、

どうも尼P川筋と自身の落とし方がうまくマッチしてないというか、

そんな感じでした。

その時の落とし方を振り返ると、

潮の流れに応じて、重めのオモリをつけて、際をキープさせることだけを意識して、

ラインが張らない様に意識しながら、フリーフォールで落とすというやり方をしていたのですが、もしかして、それがダメなんかもしれない。

そう思ったんです、

では、何がダメなのか?ラインが潮に流されるから悪いのか?

それともオモリが重すぎするからダメなのか?

ハリスにガン玉打つのがだめなのか??

などなど仕掛けに対して色々考えていたのですが、どうも思いつきません。

(基本適当なんです)

その時、ふと思い出したんです。

 

思ったより魚は上にいてる

っていうことを。

大会に出たことある方なら良くご存知とは思いますが、

釣り場に一斉に人が入ると、どれだけハイシーズンであっても魚がすぐにしずんでしまう事が多いんです。

もちろん、今回の大会もその可能性は十分にあったんですが、

これはもう感覚でしかないというか、ラッキーというか、、

やる気ある魚は大会でも、上にいてるのでは?!と思いました。

大会が始まって、1枚釣るまでに2回、例の棚でバラシたのですが、

そのバラシた理由が、

魚は上にいてて、カニが落ちていくのを見てて、それを知ってはいるが

落ちていく速度に口を使うのが追いつかず、例の棚にカニが乗っかって、そのタイミングで

口を使ったから、それが原因で掛かりきれだったんかな?と。

せっかく上に魚がいてるのに、早く落としすぎて、食わせきれなかったのかな?と

 

その考えが果たして正解かどうかは別として、

もっと餌をゆっくり落として、魚に見せるようなイメージで落としてみようと

餌はカニで、針オモリに2Bでまずは落とします。

着水からイメージとしては10㎝ごとに刻んで落とすような感じ。

しかし、上の潮の流れが早く、うまく落とせません。

すぐにチモトに2Bをもう一つ打って着水から、ゆっくりと刻んで落としていきます。

他の人がみたら、そのままゆっくりと落としているように見えると思いますが、

10㎝ごとに落とすのを止めて、ラインがピンを張るか張らないかでまた竿を下げ、また止めてラインが張るか張らないかでまた竿を下げ、、を繰り返します。

潮の流れに負けないように、ゆっくりとしっかりと確実に落としていきます。

途中で壁の付着物に乗っかったら、しばらくステイして、剥がしてまた繰り返し落として行き、

2ヒロくらいの例の棚まで落としたらピックアップし、少し進んでまた同じ落とし方を繰り返します。

もちろん大会なので、近くに人がいますが、なるべく、自身の進んで行く方向には人が近くに居ない様にしたいので、

前に人が近づいてきたら、追い抜いてまたそれを繰り返します。

しかし、人がいるからと追い抜いてばかりすると、狙いの場所で落とせないので、

そういった、前に人がいる時は、その前の人が竿を出した位置をしっかりと確認し、

その場所は避け、その少し手前を落とすように意識しました。

 

そして、そのままずーっと進んでいくのではなく、

狙いの場所を中心に、行き過ぎたらまた戻って、落としていき、狙いの場所を過ぎたら、しばらく落としてまだ戻って、を繰り返します。

もちろんその間はずっと先ほど書いた、着水から10㎝刻みの落とし方をしました。

 

上に魚がいることと信じて。

幸いなことに、周りの人達の釣り方を見てたら、比較的深いところまで狙っている印象で、

例の2ヒロパターンを知っている人は、その棚を意識して落としているようで、

上を狙った落とし方をしている人は少ないように感じました。

 

そういった、周りの状況も良かったのか、

狙い通り少し上の棚1ヒロ半ほどで運良く1枚目の魚を釣り上げることが出来ました。

ここで、良く聞く話ですが、カニはバラしやすいというもはや格言のようなことがあります。

それもあって、カニが苦手だという人も多くいてますし、確かにバラすことも多い気がしますが、

それはどこかにカニが乗っかってたり、着底したりしてる時の事であって、

棚で食ってくるときは、必ずしもそうだとは決していえませんが、結構フッキング率は高いと思います(私見)

※ほんまはわからないけど経験則で書いてます(汗)

ということで、1.5ヒロの棚で食ってきた時は、バラすことも無く、無事タモ入れに成功しました。

ちゃんとフッキング下にもかかわらず、大会での1枚目はかなり焦りますが(笑)

 

また、餌は虫でも良かったし、パイプでも良かったのですが、

最初にカニでアタってくれたので、虫を使わず(パイプは最初から持ってきてなかった)カニでやり続けました。

結局、大会中微妙なアタリや乗らないアタリなどを含めて10数回アタリを出すことができたのですが。

同じカニでもなんとなく、どんなカニが良かったとかがありました。

私自身は個人的にはかなり小さめのカニが好きでよく使うのですが、

この時は比較的大きめかつ色が明るめのカニが良かった様に思います。

オス・メスの違いは特になかったのですが、

元気なやつが良かったので、少しでも動きが悪くなったなと思ったら、すぐにカニを交換して結局大会中に50匹ほど使いました。

 

何故かわからない(根拠はわからない)ですが、釣れないときほど餌を交換しない。

っていう現象があるので、逆に餌を頻繁に交換してみるという意識も持ってやっていました。

 

①針に2B、チモトに2Bを打って、カニを尻がけで着水から上層をしっかり丁寧に刻んでおとす。

②餌を頻繁に交換する

③結果的に大きめの元気なカニが良かった

④そして魚は大会にもかかわらず、思ったより上にいてる。

⑤前後に人がいてても、なるべくその人たちが落としていない場所をしっかりと見て落としていく

周りがどうであれ、自分ができることをきっちりと丁寧にやる。

これを徹底したことと①〜⑤の状況が上手くマッチしたこと、

そして最後にはこれが一番重要なのかもですが、

があって、

なんとか、予選を通過することができたのかなと思います。

何かタイミングがズレていたら、通過できなかったとも言います(;´Д`)

 

川筋狙いは大会前から決めていましたが、

ヤグラからどっちに向いて行くかは気持ちは迷っていましたが、心ではヤグラからスリット方面を狙う事を決めていたんだと思います。

大会での釣りの組み立て方

狙う場所

スリットなのか、川なのか、そして、その場所のどこを狙うのか??

スリットなら、西面、南面、さらに柱前なのか、間なのか、奥なのか、

そして、中層ねらいなのか、テーブルねらいなのか、底狙いなのか?

川筋なら、スリット側なのか、ヤグラ周辺なのか、ヤグラより奥なのか、

その中でももっと細分化して、どこらへんを狙うのか、

棚は、鉄板に②ヒロ前後の例の場所なのか、それとも、今回みたいに上を意識するのか、それとも底を狙うのか?

 

餌は何を使うのか

カニでスタートしたとして、どのタイミングで違う餌を使うのか?

朝の魚浮いている(仮定)タイミングはカニ、一段落したら虫

もしくは、一定の間隔で交互に使う。

それとも場所で変える。

などなど色々ありますが、

私自身は下見の時の状況も踏まえて

ヤグラより奥に行くなら虫中心、ヤグラよりスリット側はカニ中心

みたいな感じでした。(結局はヤグラより奥はほんの少しだけ行きましたがほとんどやらず)

 

次の一手は?

朝はモーニングサービスがあるとして(仮定)

その時の狙い方と、それが終わったあとはどうするのか?

さらに、その後、竿が誰も曲がらないタイミングのときどうするのか??

 

おそらく、みんな最初は狙いやすい場所から狙って行くことが多い(私見)ので

最初からそれをわかったうえで、深い棚を狙って行くのか?

それとも手返しを考慮して、落としやすい棚をどんどん落としていくのか??

などなど、色々作戦はありますが、

ある程度シミュレーションしていた方が、何かイレギュラーが起こった時に、焦らず対応できるかなと思います。

おそらくですが、うまい人達はそういった事を考えて大会に望んでいるので、

何も考えず、闇雲にとりあえず釣れたらいいな。ではなかなかコンスタントに釣果を出すことは難しく、ラッキーでしか無いと思います(これまた私見)

私も最初は何も考えずガンガン突き進む感じでしたが、

上手い人達のマネをすることで、自身がそうでなくても、上手い人達に少しでも近づけるのではないだろうか?という思いから、しっかりと組み立てて考えて行くようになりました。

狙った場所は、人が多いからやめて違う場所へ行くことも

人が多かろうが狙った場所へ行くことも

どちらも正解になりうるし、不正解にもなりえます。

次の一手を前もってシミュレーションしていると、そういった場合にも

案外ブレずに自分の釣りができるように思います。

更に次の一手

うまい人達はこれがあります。

私達脱初心者くらいだと、その更に次の一手が欲しいと思っているものの

下見に行っても、その更に次の一手ということを考えたり、やってみたりする事を

おろそかにしてしまいがちです。

 

際を狙うことがセオリーの中、少し前に餌を落として釣るとか、

普通の人たちが入れれないような、スリットの奥に餌を入れ込んだり

ステイして5分ほどまったり、めっちゃ前に打ってみたり、、

そんなやり方で釣れるの??みたいな釣り方を最後の一手として持っています。

誰も竿が曲がって居ない時に一人だけ

ズバンッ!と竿を曲げるのを見たことがあるかと思いますが、

それは必殺技の更に次の一手での釣果かもしれません(笑)

 

 

大会当日に、あっこつれてるよぉ〜とか、棚は深かったよぉ〜とか、

色んな話が耳に入ってきますが、

結局のところ、なんやかんやと言っても

ブレずに自分の釣りをすることが私自身には一番効果がありました。

まとめ

黒鯛 工房の大会に出て、予選を通過する。

ただ、それだけなんですが、

そこに重きを置くか、そうでないかで、面白さが格段に違ってきます。

もちろん、正直どっちのスタンスでも良いし、もっとラフに参加してももちろん良いと思います。

私も最初はそんな感じで参加していました。

しかし、出れば出るほど、予選通過できなければできないほど、悔しさが生まれ、

胸が熱くなります(笑)

 

何度も書いたことがある、受け売りの言葉ですが

どれだけ時間を費やして、どれだけ向き合ったかが大事で、他の人の何倍もその事を考え抜いた、やり抜いた人は、ジャンル問わず同じ様な真理に辿り着くのかな

と。。

 

真剣に取り組む事で見えてくるものがあるんだと思います。

何度も言いますが、人それぞれなので、決してそれをしなければならないというわけではありません。人それぞれ楽しみ方があるからです。

ただ、今まで、そういった真剣に取り組むことをしたことがないっていう人がいたら、

一度くらいやってみても良いかもしれません。

自戒の念でもありますが、

自分で、いくら上手くなったと思っていても、それは井の中の蛙大海を知らずで、それは、自分が決めることではなくて、周りが決めること。

 

それに気づき、大会というパブリックな舞台に出て、多少なりとも結果が出たときの喜びは、この上ありません。

ええオッサンですが、めっちゃ嬉しいです。

逆にダメだった時はめーっちゃ悔しいです。

ほんま仕事に差し支えます(笑)

けど、また参加してしまうんです。

 

今年でこの釣りも10年目になります。(落とし込み釣り歴10年生)

そして、私もええオッサンです。

しかし、そんなオッサンになっても、まだ伸びしろがあるこの釣りって最高です。

もちろん

予選通過した=上手い

の方程式は成り立つようで、成り立たないと思います。

 

私みたいに、何度か参加して予選通過したり、しなかったりの方もいてますし、

初回参加から、特に壁に当たる訳でもなく、サラッと通過してしまう人もいてます。

 

もちろん、通過すべくして通過する人たちもいます。

その逆で、実力があるのに通過できない人もいてます。

 

大会は、運の要素もあり、更には実力も必要とされます。

ちょっとしたタイミングのズレで釣れたり、釣れなかったりもします。

しかし、せっかくのこういった大会に参加してるのだから、

将来、仮にラッキーで通ったとしても、

周りからは、あいつは実力で通ったんだ

と言われる自分になりたいです。

それくらい落とし込み釣りという趣味を真剣に楽しんで行きたいと思います。

 

長文読破ありがとうございました。

また、気が向いたら記事を書きます(笑)