黒鯛の餌「フジツボ」はどう保存する?普通冷凍・塩漬け・焼酎漬け・真空冷凍を考えてみた

黒鯛の落とし込み釣りで、よく使うフジツボ。
ここ数年では年中使う餌になりつつあります。

大量に採れると、

「これ、どうやって保存するのが一番いいんやろ?」

と思ったことがある人も多いと思います。

自分もこれまでに色々やってきました。

普通に冷蔵。

そのまま冷凍。

そして現在やっているのが、

焼酎漬けにして冷凍保存。

正直に言うと、最初は「なぜ焼酎なのか?」なんて深く考えていませんでした。

なんとなく保存に良さそうだからやっていただけです。

さらに、実際に解凍して落とし込みで使ってみると、

普通に釣れる。

少なくとも自分の実釣では釣果が落ちた感覚はありません。

むしろ、よく釣れています。

そこで改めて、

普通冷凍。

塩漬け。

焼酎漬け。

そして真空冷凍。

それぞれフジツボに何が起こるのか調べてみました。

すると単純に、

「どの方法が一番長持ちするか?」

だけではないことが分かってきました。

落とし込みの場合、

保存した数か月後にも「餌として使いやすい状態」が残っているか。

ここが一番重要なのかもしれません。

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1週間程度で使うなら普通に冷蔵

まず、短期間なら話は簡単です。

自分の場合、

採ってきたフジツボを1週間程度で使い切るなら普通に冷蔵保存しています。

わざわざ冷凍する必要はありません。

採取して冷蔵庫へ。

そして次の釣行で使う。

これが一番簡単です。

ただし、保存状態や採取したフジツボの状態、冷蔵庫の温度などによって変わるので、

「冷蔵なら必ず1週間大丈夫」

という意味ではありませんのであしからずご了承ください。

問題になるのは、

1か月、3か月、半年と保存したい場合。

ここから冷凍保存を考える必要が出てきます。

普通冷凍なら長期保存できる。でも……

採ってきたフジツボをそのまま冷凍する。

これが一番簡単です。

実際、無加工のフジツボを冷凍して黒鯛の落とし込み用餌として販売している例もあります。

つまり、

「フジツボはそのまま冷凍できる」

ということ自体は特に不思議な話ではありません。

問題は長期保存です。

自分が実際に普通冷凍して感じているのが、

長期間保存すると身痩せしてくること。

解凍してみると中身が痩せて、フジツボそのものが軽く感じる。

これが落とし込みでは結構困ります。

落とし込みでは「重さ」も餌の性能

普通の釣り餌なら、

「魚が食うか?」

だけ考えればいいかもしれません。

でも落とし込みでは違います。

フジツボそのものの重さを利用して、壁際を自然に落としていく。

だから、

餌の重量そのものが釣りやすさに関係します。

長期冷凍した結果、

腐っていない。

黒鯛も食う。

でも、

軽すぎて落ちない。

これでは使いにくい。

もちろんガン玉を追加すれば落とせます。

ただ、できるだけフジツボそのものの重さで自然に落としたい場面では、この「身痩せ」が結構大きな問題になります。

なぜ普通冷凍すると身痩せするのか?

ここは少し科学的な話になります。

魚などの水産物では、冷凍すれば完全に変化が止まるわけではありません。

冷凍中にも水分移動や氷結晶の変化、タンパク質の変化などが起こります。

さらに長期冷凍では乾燥も起こります。

いわゆる、

冷凍焼け。

水分が失われれば当然重量も減ります。

また、凍結によって組織が傷つくと、解凍したときに水分が外へ流れ出すこともあります。

つまり、

冷凍

長期保存

乾燥・氷結晶・組織などの変化

解凍時にも水分が流出

身が痩せる

ということが考えられます。

ただし注意点があります。

これは魚などの冷凍水産物で確認されている現象です。

「フジツボを半年冷凍すると何%身痩せする」

という研究を確認したわけではありません。

フジツボについては、自分自身が実際に使って感じている現象です。

だったら真空冷凍したらいいんじゃない?

ここで最近思ったのが、

「真空状態にして冷凍したら、もっと状態を維持できるんじゃない?」

ということ。

これは調べてみると、かなり理にかなっています。

冷凍水産物では、包装によって水蒸気や空気との接触を抑えることが、乾燥や酸化を防ぐうえで重要とされています。

特に真空包装は空気を減らすことができます。

つまり、

採取

水切り

小分け

真空包装

冷凍

とすれば、普通に袋へ入れて冷凍するよりも、長期保存中の乾燥を抑えられる可能性があります。

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普通冷凍で感じている、

「半年置いたら身が痩せて軽くなった」

という問題を改善できるかもしれません。

ただし真空なら完璧というわけではない

ここは重要です。

真空包装によって抑えやすいのは、

冷凍中の乾燥や酸化。

一方で、

凍結そのものによる組織への影響。

氷結晶の変化。

タンパク質の変化。

解凍時の水分流出。

こういった現象を真空だけですべて防げるわけではありません。

だから、

「真空冷凍なら絶対に身痩せしない」

とは言えません。

ただし普通冷凍との比較は、かなりやってみる価値がありそうです。

塩漬けしたらどうなる?

次に気になるのが塩漬け。

塩を使うと、浸透圧などによってフジツボ内部から水分が移動します。

簡単に言えば、

水分を抜く方向へ働く。

ここで思ったのが、

「水分が抜けたら味が凝縮されるんじゃない?」

ということです。

確かに水分が減れば、残った成分の濃度が相対的に高くなることは考えられます。

ただ、調べてみるとそんなに単純ではありません。

「塩漬け=旨味凝縮=よく釣れる」ではない

魚の塩蔵について調べると、塩漬けでは強い脱水が起こります。

しかし水分だけが抜けるわけではなく、一部のタンパク質などが流出した例も報告されています。

つまり、

水だけ抜けて旨味成分が全部残る

わけではありません。

さらに興味深い研究があります。

マアジでは、一定条件の塩漬けによってタンパク質の状態が変わり、凍結・解凍した後の保水力が向上して、離水が抑えられたという報告があります。

これは結構面白いですね。

単純に、

「塩=水分を抜く」

だけではないということです。

条件によっては、その後の冷凍・解凍時に水分を保持する方向へ作用する可能性もある。

ただし、これもマアジの研究です。

フジツボで同じことが起こるとは断言できません。

黒鯛にとっての「旨味」とは?

ここも考えてみたいところです。

人間が食べて、

「味が濃い」

「旨味がある」

と感じることと、

黒鯛が、

「食いたい」

と感じることは同じではありません。

魚類はアミノ酸などに対して非常に高い味覚感度を持つことが知られています。

つまり黒鯛の餌として考えるなら、

人間が感じる旨味が濃くなったか

より、

海中へ落としたときに、摂餌を刺激する成分がどう出てくるか

の方が重要なのかもしれません。

塩漬けによってその出方が変化する可能性はあります。

ただし、

「塩漬けフジツボの方が黒鯛がよく食う」

という比較研究は確認できていません。

ここは仮説です。

塩漬けの本当のメリットは「身質」かもしれない

落とし込みで考えると、自分はこちらの方が気になります。

塩処理によって身質が変われば、

針に付けやすい。

針持ちが良い。

落としている途中で身が抜けにくい。

こうしたメリットが出る可能性があります。

一方で、塩による脱水が強すぎれば、

最初から軽くしてしまう可能性

もあります。

普通冷凍で困っているのが「軽くなりすぎること」なのに、塩漬けでさらに軽くしてしまったら本末転倒。

だから塩漬けについては、

濃い塩で長期間漬ける

というより、

軽く塩処理して身質を変えてから冷凍する

という方向の方が、落とし込みでは面白いのではないかと思っています。

そして自分が実践している「焼酎漬け冷凍」

ここからが今回一番気になっているところ。

自分は以前から、

採ってきたフジツボを焼酎に漬け、その状態で冷凍保存

しています。

なぜ焼酎なのか?

正直、

訳も分からずやっていました(笑)。

ところが解凍して実際に使ってみると、

普通に釣れる。

釣果が落ちている感じもありません。

というより自分の実釣では、

むしろよく釣れています。

ここは自分自身が実践して確認している部分です。

ただし、

「焼酎に漬けたから釣果が上がった」

とは言えません。

生・普通冷凍・焼酎冷凍を、同じ潮・同じ場所・同じ時間で大量に比較したわけではないからです。

現段階で言えるのは、

「焼酎漬け冷凍したフジツボでも黒鯛は問題なく食ってくる」

というところまでです。

そもそも焼酎に漬ける意味はある?

焼酎にはエタノールが含まれています。

食品保存の研究では、エタノールと食塩を含む状態で凍結することによって、微生物に対する殺菌作用が強くなったという報告があります。

つまり、

エタノール+凍結

という組み合わせ自体に意味がないわけではありません。

ただし、この研究はフジツボを焼酎に漬けたものではありません。

しかも、

普通に冷凍するだけでもフジツボは保存できます。

だから、

「冷凍するなら焼酎は絶対必要」

ということでもありません。

焼酎に浸したまま冷凍する必要はあるのか?

これも分かりません。

実際の落とし込み釣り師を見ると、

焼酎を入れた状態でそのまま冷凍する人

もいれば、

焼酎に1日漬けたあと液を捨て、フジツボだけを冷凍する人

もいます。

そして無加工のフジツボをそのまま冷凍して使っている人もいます。

つまり、

「焼酎液ごと冷凍することに明確な優位性がある」

とは現段階では言えません。

それでも焼酎冷凍が気になる理由

ここからは仮説ですが

焼酎に含まれるエタノールは、タンパク質などに作用します。

さらに、

焼酎処理。

冷凍。

解凍。

という工程を経ることで、生のフジツボとは内部の状態が変わっている可能性があります。

その結果、

海中へ入れたときの成分の出方が変わっている可能性

も考えられます。

魚類はアミノ酸などの化学的刺激に反応します。

もし焼酎処理+冷凍+解凍によって、黒鯛が餌として認識する成分が水中へ出やすくなっているなら面白い。

ただし、

「焼酎に漬けると集魚力が上がる」

という研究結果は確認できていません。

これは完全に仮説です。

焼酎の効果は「釣れる」より「保存状態」なのかもしれない

もうひとつ、自分が確認したいことがあります。

普通冷凍では長期保存すると身痩せする。

では、

焼酎漬け冷凍ではどうなのか?

普通冷凍より、

重量が残る。

中身がふっくらしている。

身質が維持される。

針持ちが良い。

もしこういった違いがあるなら、

焼酎の本当のメリットは、

集魚効果ではなく「落とし込み餌としての状態を維持すること」

なのかもしれません。

ただ、これもまだ測定していません。

だから次は数字で比較してみたいと思っています。

そして一番試したい「焼酎+真空+冷凍」

ここまで考えて、今一番試してみたい保存方法があります。

焼酎漬け+真空包装+冷凍。

焼酎処理によって身質や保存性に何らかの影響を与える。

さらに真空包装で、長期冷凍中の乾燥や酸化をできるだけ抑える。

そして冷凍する。

これなら、

「焼酎漬け冷凍は実際に釣れる」

という自分の経験を残しながら、

普通冷凍で困っていた、

「長期保存すると身痩せして軽くなる」

という問題も改善できる可能性があります。

もちろん、

これが最強の保存方法だと証明されたわけではありません。

現時点では、

一番試してみたい方法

というだけです。

だったら全部比べてみる

ここまで調べても、結局分からないことがあります。

だったら、

実際に比べればいい。

次に同じ日に同じ場所でフジツボを採ったら、条件を分けて保存してみようと思います。

普通冷凍

真空+冷凍

塩処理+真空+冷凍

焼酎処理+冷凍

焼酎処理+真空+冷凍

この5種類。

「身痩せ」を感覚ではなく数字にする

今まで、

「普通冷凍は身が痩せる気がする」

「焼酎冷凍の方が状態が良い気がする」

という感覚で見ていました。

だったら次は、

重量を測ります。

同じくらいのサイズのフジツボを各条件で用意。

冷凍前に重量を測定。

そして、

1か月。

3か月。

6か月。

可能なら1年。

それぞれ解凍して再び重量を測る。

これなら、

「どの保存方法が一番重量を維持できたか」

を数字で比較できます。

重さだけではなく「落ち方」も比較する

そして落とし込みでは、ここが重要です。

単純な重量だけではなく、

実際にどう落ちるか。

同じ仕掛け。

同じハリ。

同じライン。

できるだけ同じ条件で、

フジツボ単体でどのくらいの速度で落ちるのか。

これも比較してみたい。

さらに、

身の大きさ。

硬さ。

針への付けやすさ。

針持ち。

殻の割れやすさ。

落としている途中で中身が抜けないか。

ここまで見れば、

「保存状態」ではなく「落とし込み餌としての性能」

が比較できます。

最後は実際に黒鯛に食わせてみる

そして最後はもちろん実釣です。

普通冷凍。

真空冷凍。

塩処理。

焼酎処理。

どれに黒鯛が反応するのか。

アタリ数。

掛けた数。

釣れた枚数。

できれば複数回の釣行で記録します。

一度の釣行だけでは、潮や魚の活性の影響が大きすぎるからです。

保存ではなく「餌の加工」なのかもしれない

最初は単純に、

「フジツボを長期保存したい」

という話でした。

でも調べていくと、少し考え方が変わりました。

普通冷凍。

真空冷凍。

塩漬け。

焼酎漬け。

これらによって、

水分量が変わる。

重量が変わる。

身の硬さが変わる。

内部の成分も変化する可能性がある。

海へ入れたときの成分の出方まで変わるかもしれない。

だったらこれは、

単なる「保存」ではなく、フジツボという餌の「加工」

なのかもしれません。

現時点での自分なりの結論

短期間なら難しく考えなくていい。

1週間程度で使うなら冷蔵。

それ以上保存するなら冷凍。

ただし長期冷凍では、

「腐らず保存できるか」だけではなく、「重さと身質を維持できるか」

を見る必要がある。

普通冷凍は簡単ですが、自分の経験では長期になると身痩せが気になる。

真空冷凍は、その乾燥を抑えられる可能性がある。

塩漬けは、脱水だけではなく身質や保水性まで変化する可能性がある。ただし黒鯛への効果は分からない。

そして焼酎漬け冷凍。

なぜ釣れるのかは分からない。

焼酎が本当に必要なのかも、まだ分からない。

でもひとつだけ言えるのは、

自分は実際にこれで釣っています。

しかも今のところ、釣果が悪くなった感覚はありません。

だったら次は、

「焼酎+真空+冷凍」

まで試してみる。

普通冷凍。

真空冷凍。

塩。

焼酎。

焼酎+真空。

数か月保存して、重量を測って、実際に落として、最後は黒鯛に食わせてみる。

そこで初めて、

「黒鯛の落とし込み用フジツボは、どう保存するのが一番いいのか?」

自分なりの答えが出せると思っています。

また結果が出たら続きを書きます。


※この記事には筆者自身の実釣経験と、水産物の冷凍・塩蔵・エタノール処理などに関する研究をもとにした考察が含まれています。フジツボを黒鯛の落とし込み餌として各保存方法で比較した科学的研究は確認できていません。そのため、本文中で「可能性」「仮説」としている内容は効果を断定するものではありません。